経営改善ガイド

就労継続支援A型・B型のKPIダッシュボード|業界平均と比較できるテンプレート【2026年版】

開業6ヶ月を経過し、次の成長フェーズへ進む就労継続支援A型・B型事業所の皆様へ。本KPIダッシュボードは、事業所の「稼ぐ力」と「支援の質」を客観的に評価し、具体的な改善策を導き出すための羅針盤です。業界平均値との比較を通じて、貴事業所の強みと弱みを明確にし、持続可能な経営と質の高い支援の両立を実現するための指標としてご活用ください。日々の運営データから未来の成長戦略を紡ぎ出しましょう。

使い方

  1. ステップ1: 現在の数値を計測し、ダッシュボードに入力。まずは貴事業所の現状を正確に把握することから始めましょう。障害福祉ソフト(カイポケ、ワイズマン等)からのデータ抽出が効率的です。
  2. ステップ2: 業界平均値とターゲット値との比較。各KPIが業界平均と比べてどうか、また設定した目標値に達しているかを確認し、重点的に改善すべき領域を特定します。
  3. ステップ3: 危険信号をチェックし、即座に行動計画を策定。特に警告サインが出ているKPIについては、その原因を深掘りし、具体的な改善アクション(例: 相談支援事業所への訪問強化、作業内容の見直し)を立案します。
  4. ステップ4: 定期的に数値を更新し、改善効果を検証。月次または四半期ごとにKPIを追跡し、計画の効果測定と次の打ち手を検討することで、PDCAサイクルを回します。

利用者稼働率

重要度:

売上向上

定員に対する実際の利用者の割合を示す指標です。A型・B型共に、安定した事業運営の基盤となります。特にA型は最低賃金保証の観点から、B型は工賃確保の観点から利用者数の維持が不可欠です。

業界平均
85
目標値
90
%
算出方法: (月間実利用者延べ人数 ÷ (定員数 × 開所日数)) × 100測定頻度: 月次

平均工賃/賃金(B型)

重要度:

売上向上

B型事業所における利用者一人あたりの月間平均工賃です。工賃の高さは利用者のモチベーション維持、新規利用者の獲得、そして地域の相談支援事業所へのアピールにおいて極めて重要です。

業界平均
20000
目標値
25000
円/月
算出方法: 月間総工賃支給額 ÷ 月間実利用者数測定頻度: 月次

平均賃金(A型)

重要度:

オペレーション改善

A型事業所における利用者一人あたりの月間平均賃金です。最低賃金以上の賃金支払いが義務付けられているため、安定した作業量と生産性向上による収益確保が直接的な経営課題となります。

業界平均
80000
目標値
90000
円/月
算出方法: 月間総賃金支給額 ÷ 月間実利用者数測定頻度: 月次

一般就労移行率

重要度:

顧客管理

就労継続支援事業所の最終目標である一般就労への移行実績を示す指標です。支援の質の高さを測る重要なベンチマークであり、相談支援事業所との連携強化にも繋がります。

業界平均
15
目標値
30
%/年
算出方法: (年間一般就労移行者数 ÷ 年間実利用者延べ人数) × 100測定頻度: yearly

サービス管理責任者研修修了率

重要度:

オペレーション改善

サービス管理責任者(サビ管)の配置は事業所指定の必須要件であり、その研修修了は質の高い個別支援計画策定の前提です。未修了者の存在は減算リスクに直結します。

業界平均
90
目標値
100
%
算出方法: (研修修了済サビ管数 ÷ 配置必須サビ管数) × 100測定頻度: 月次

相談支援事業所連携数

重要度:

顧客管理

新規利用者の確保に不可欠な相談支援事業所との連携数を測る指標です。積極的な関係構築は、安定的な利用者確保に直結します。

業界平均
20
目標値
30
事業所
算出方法: 過去1年間で連携実績のある相談支援事業所数測定頻度: 月次

作業受託件数(月間)

重要度:

売上向上

利用者への作業提供の安定性を測る指標です。特にB型では工賃の原資となり、A型では賃金確保のための収益源となります。多様な作業確保は利用者のスキルアップにも繋がります。

業界平均
5
目標値
8
件/月
算出方法: 月間の新規または継続作業受託件数測定頻度: 月次

報酬加算取得率

重要度:

売上向上

利用者の支援ニーズに応じた加算を適切に取得しているかを示す指標です。報酬改定への対応力と、事業所の収益最大化に直結します。

業界平均
70
目標値
90
%
算出方法: (取得可能な加算種類数に対する取得済みの加算種類数) × 100測定頻度: 月次

職員定着率

重要度:

コスト削減

サービス提供体制の中核を担う職員の定着を示す指標です。高い定着率は支援の質の安定、採用コストの削減、職員育成の効率化に繋がります。

業界平均
85
目標値
90
%/年
算出方法: (年間勤続職員数 ÷ 年初職員数) × 100測定頻度: yearly

作業利益率

重要度:

コスト削減

受託作業から得られる売上から、作業材料費や利用者賃金(A型)/工賃(B型)を差し引いた利益の割合です。作業効率化や原価管理の適切さを評価します。

業界平均
15
目標値
20
%
算出方法: ((作業売上高 - 作業材料費 - 利用者賃金/工賃) ÷ 作業売上高) × 100測定頻度: 月次

利用者継続利用率

重要度:

顧客管理

一度利用を開始した利用者が、継続してサービスを利用している割合を示す指標です。利用者の支援満足度や個別支援計画の適合性を評価します。

業界平均
90
目標値
95
%
算出方法: (前月末利用者数 - 当月途中で利用終了した利用者数) ÷ 前月末利用者数 × 100測定頻度: 月次

個別支援計画達成度

重要度:

オペレーション改善

個別支援計画に設定された目標が、どの程度達成されているかを示す指標です。支援の質の評価と、計画の見直しに役立ちます。

業界平均
70
目標値
80
%
算出方法: (達成目標数 ÷ 設定目標数) × 100 (利用者アンケート、職員評価など)測定頻度: quarterly

利用者1人あたり作業売上高

重要度:

売上向上

利用者一人あたりが月間に事業所に貢献する売上を示す指標です。A型事業所における生産性向上、B型事業所における高単価作業の確保状況を測ります。

業界平均
80000
目標値
120000
円/月
算出方法: 月間作業売上高 ÷ 月間実利用者数測定頻度: 月次

職員1人あたり担当利用者数

重要度:

オペレーション改善

職員一人あたりが担当する利用者の数です。適切な配置は、支援の質と職員の負担軽減の両方に影響します。

業界平均
6
目標値
5
算出方法: 月間実利用者数 ÷ 月間実働職員数測定頻度: 月次

新規作業開拓数

重要度:

売上向上

月に何件の新規作業委託先を開拓できたかを示す指標です。特にB型事業所では、工賃向上と作業内容の多様化に不可欠です。

業界平均
0.5
目標値
1
件/月
算出方法: 月間の新規作業委託契約締結数測定頻度: 月次

送迎車両維持費率

重要度:

コスト削減

送迎サービスにかかる費用が総売上に占める割合です。送迎は利用者の利便性を高めますが、コスト管理も重要です。

業界平均
3
目標値
2.5
%
算出方法: (月間送迎車両維持費 ÷ 月間総売上高) × 100測定頻度: 月次

危険信号

利用者稼働率: 80%を下回る

直ちに相談支援事業所への連携強化、新規利用者獲得のための広報活動(SNS、地域イベント参加)を再開・強化してください。利用者の定着状況についても再評価が必要です。

平均工賃/賃金(B型): 15,000円/月を下回る

現在の請負作業内容と単価を見直し、高単価の企業内作業請負やオリジナル商品の開発を検討してください。同時に利用者の生産性向上に向けた作業トレーニングを強化しましょう。

平均賃金(A型): 最低賃金を下回るリスク

利用者の作業生産性向上に直結する工程改善、新たな収益性の高い作業の獲得を急務とします。必要に応じて業務委託契約の見直しや、雇用形態の柔軟化も検討材料です。

一般就労移行率: 5%を下回る(年間)

個別支援計画における就労準備支援プログラムを再評価し、企業見学、インターンシップ斡旋を積極的に行ってください。就労定着支援事業所との連携も強化しましょう。

作業受託件数(月間): 3件を下回る

営業リストの更新と企業へのアプローチ(電話、メール、訪問)を強化してください。既存取引先からの追加発注や、近隣の社会福祉協議会、商工会への相談も有効です。

職員定着率: 80%を下回る(年間)

職員の離職原因をヒアリングし、労働環境、待遇、人間関係などの課題を特定してください。職員研修の充実やメンター制度の導入など、働きがいのある職場づくりを進めましょう。

報酬加算取得率: 50%を下回る

厚生労働省や都道府県の通知を改めて確認し、取得可能な加算を見落としていないか確認してください。サービス管理責任者を中心に、加算要件を満たすための支援体制や記録の見直しが必要です。

データソース

掲載されている業界平均値は、厚生労働省の統計データ(障害福祉サービス等経営実態調査等)及び弊社が分析した全国の就労継続支援事業所の実態調査に基づいています。ただし、地域や事業所の特性により変動があるため、あくまで参考値としてご活用ください。