デイサービス(通所介護)のKPIダッシュボード|業界平均と比較できるテンプレート【2026年版】
開業6ヶ月を経過したデイサービス(通所介護)事業所が、次の成長ステージへ進むための経営改善ガイドです。漠然とした目標ではなく、具体的な数値目標(KPI)を設定し、業界平均と比較しながら自社の強みと弱みを明確にします。特に収益変動リスクが高い介護報酬改定に対応し、持続可能な事業運営を実現するための羅針盤としてご活用ください。このダッシュボードは、利用者獲得からコスト管理、サービス品質向上まで、デイサービス経営のあらゆる側面を網羅しています。
使い方
- ステップ1:まず、自社の最新の経営データを収集し、上記KPIの現状値を正確に算出してください。介護ソフト(カイポケ、ほのぼのNEXT等)を活用すると効率的です。
- ステップ2:算出した自社の現状値と、本テンプレートに記載された業界平均値、そして目標値を比較してください。特に目標値との乖離が大きいKPIを特定します。
- ステップ3:特定した乖離の大きいKPIについて、その原因を深掘りし、具体的な改善策をチームで検討・立案します。例えば、稼働率が低いなら、ケアマネジャーへの営業強化やサービス内容の差別化を検討します。
- ステップ4:立案した改善策を計画的に実行し、定期的に(日次・週次・月次)KPIの変動をモニタリングしてください。改善効果を数値で確認し、必要に応じて施策を修正します。
- ステップ5:介護報酬改定や季節変動(1月上旬、GW、お盆期間の稼働率低下など)といった外部要因も考慮に入れ、目標値を柔軟に調整しながら持続的な経営改善を目指します。
稼働率
重要度: 高売上向上
利用定員数に対して、実際にサービスを利用した人数の割合です。経営の安定性に直結する最も重要な指標となります。
利用者一人あたり単価
重要度: 高売上向上
一人の利用者が1日に発生させる介護報酬の平均額です。各種加算の取得状況や提供サービスの付加価値を反映します。
介護職員一人あたり利用者数
重要度: 中オペレーション改善
介護職員1人あたりが担当する利用者の数です。人員配置の適切性や、職員の業務負担、サービスの質に影響します。
月間ケアマネジャーからの新規利用者紹介件数
重要度: 高売上向上
新規利用者の獲得において最も重要な、ケアマネジャーからの紹介件数です。営業活動の成果を測る直接的な指標です。
介護報酬請求返戻率
重要度: 高コスト削減
請求ミスや書類不備などにより、国保連から返戻された請求額の割合です。正確な事務処理と収入の確実性を示します。
個別機能訓練加算取得率
重要度: 高売上向上
個別機能訓練計画に基づき加算を算定している利用者の割合です。利用者のQOL向上と事業所の収益性向上に寄与します。
人件費率
重要度: 高コスト削減
総売上高に占める人件費(給与、賞与、法定福利費等)の割合です。デイサービスの主要コストであり、コスト構造の健全性を示します。
営業利益率
重要度: 高売上向上
売上高に対する営業利益の割合です。事業全体の収益性や経営効率を示す総合的な指標です。
利用者満足度
重要度: 中顧客管理
提供サービスに対する利用者の満足度です。継続利用や口コミによる新規利用に繋がり、事業の評判を左右します。
介護職員定着率
重要度: 高オペレーション改善
一定期間における介護職員の離職を防ぎ、継続して勤務している職員の割合です。サービス品質の維持と採用コスト抑制に重要です。
平均送迎時間(片道)
重要度: 中コスト削減
利用者一人あたりの送迎にかかる平均時間(片道)です。送迎ルートの効率性や車両運用状況を示します。
入浴介助加算取得率
重要度: 中売上向上
入浴介助加算を算定している利用者の割合です。利用者のニーズに合わせたサービス提供と加算取得の状況を示します。
LIFEデータ提出状況
重要度: 高売上向上
科学的介護推進体制加算取得の前提となる、介護情報科学支援システム(LIFE)へのデータ提出の実施状況です。
口腔機能向上加算取得率
重要度: 中売上向上
口腔機能向上サービスを提供し、加算を算定している利用者の割合です。専門性の高いサービス提供と加算取得状況を示します。
レクリエーション活動満足度
重要度: 中メニュー・サービス改定
レクリエーション活動に対する利用者の満足度です。利用者の活動意欲向上や他施設との差別化に繋がります。
職員一人あたり研修時間
重要度: 低オペレーション改善
職員一人あたりが年間で受講した研修の平均時間です。職員のスキルアップとサービス品質向上に寄与します。
危険信号
稼働率: 70%未満が3ヶ月以上継続
即座にケアマネジャーへの営業強化、体験利用促進、地域イベント参加など利用者獲得施策を再評価し、サービス提供時間やプログラムの見直しも検討する。
利用者一人あたり単価: 6,000円/日を下回る
個別機能訓練加算、口腔機能向上加算、入浴介助加算など、各種加算の取得状況を徹底的に見直し、取得可能な加算を漏れなく算定できるようサービス提供体制と記録方法を改善する。
ケアマネジャーからの紹介件数: 月間5件未満が2ヶ月以上継続
紹介元リスト(居宅介護支援事業所)の見直しと、関係性の薄いケアマネジャーへの訪問営業強化。自社の強み(リハビリ特化、充実したレクリエーション等)を明確に伝え、定期的な情報提供や事例共有を行う。
介護報酬請求返戻率: 3%を超える
請求業務プロセスと担当者の再教育を急ぐ。介護ソフト(カイポケ、ケア樹など)の入力・チェック機能を最大限活用し、返戻原因の分析と再発防止策を徹底する。
人件費率: 65%を超える
人員配置の適正化を検討。ICT(介護ソフト、見守りシステム)導入による業務効率化、シフト最適化で残業削減を図る。採用コストや定着率も合わせて見直す。
介護職員定着率: 70%を下回る
職員への個別ヒアリングを実施し、離職原因を特定。労働環境改善、キャリアアップ支援、適切な評価制度の構築、定期的な面談など、定着率向上に向けた具体的な人事施策を実行する。
営業利益率: 5%を下回る
全体的な収益構造の見直しが急務。売上増加策(稼働率向上、加算取得)とコスト削減策(人件費、送迎費、消耗品費)の同時並行での推進を経営会議で徹底的に議論する。
データソース
掲載されている業界平均値は、厚生労働省の介護事業経営実態調査報告や、各介護関連コンサルティング会社の公開データ、および当社のデイサービス経営支援実績に基づく推計値を含みます。個別の事業環境により変動する可能性があります。