訪問介護事業所のKPIダッシュボード|業界平均と比較できるテンプレート【2026年版】
開業から6ヶ月が経過し、本格的な事業成長と収益改善を目指す訪問介護事業所の経営者の皆様へ。本ダッシュボードは、「どう伸ばすか・どう改善するか」に焦点を当て、事業の現状を数値で可視化し、業界平均と比較しながら具体的な改善点を見つけるための羅針盤です。特に、介護職員(ヘルパー)の確保・定着、訪問スケジュールの効率化といった訪問介護事業所ならではの経営課題に対応するKPIを厳選しました。カイポケやワイズ、ケア樹といった介護ソフトから得られるデータを最大限に活用し、事業の健全な成長を加速させましょう。
使い方
- **現状把握と目標設定:** まずは各KPIの現状値を算出し、業界平均と比較します。その上で、自事業所の目標値を設定しましょう。例えば、カイポケやワイズといった介護ソフトから出力されるデータを活用します。
- **月次・四半期ごとのモニタリング:** 定期的にKPIを測定し、変動を追跡します。特にヘルパー稼働率や人件費率、営業利益率など、収益に直結する指標は毎月確認が必要です。
- **ボトルネックの特定と改善策立案:** 目標値に達していないKPIがあれば、その原因を深掘りします。例えば、ヘルパー定着率が低い場合は、ヘルパーへの定期的なヒアリングや研修制度の見直しを検討します。
- **PDCAサイクルの実践:** 改善策を実行した後は、再度KPIを測定し、その効果を検証します。効果が薄ければ、別の改善策を検討するなど、継続的なPDCAサイクルを回すことが重要です。
ヘルパー稼働率
重要度: 高オペレーション改善
実際にサービス提供を行った時間と、シフトで確保された時間の割合。高いほどヘルパー資源の有効活用が進んでいる証拠であり、移動時間や待機時間が多いと低下します。
サービス提供時間/月/ヘルパー
重要度: 高売上向上
ヘルパー1人あたりが1ヶ月に実際にサービスを提供した時間。事業所の収益に直結する重要な指標であり、目標は業界平均を上回る160時間以上を目指します。
特定事業所加算算定率
重要度: 高経営課題
特定事業所加算の算定要件を満たし、実際に加算を請求できている利用者の割合。安定した質の高いサービス提供体制を構築できているかを示す指標であり、事業所の収益性を大きく左右します。
利用者満足度(NPS)
重要度: 高顧客管理
サービス利用者に対し、「この事業所を友人や知人にどの程度勧めたいですか?」と尋ねることで計測するNPS(Net Promoter Score)。紹介や口コミによる新規利用者獲得に影響します。
居宅介護支援事業所からの依頼件数
重要度: 高売上向上
新規利用者の主要な流入経路であるケアマネジャーからの紹介件数。地域連携の強さや事業所の信頼度を示します。月間目標値を設定し、関係強化に努めましょう。
キャンセル率
重要度: 高オペレーション改善
予定されていたサービス提供が、利用者都合でキャンセルされた割合。ヘルパーの稼働率低下や収益損失に直結するため、低減が不可欠です。
人件費率
重要度: 高コスト削減
売上高に占める人件費(ヘルパー給与、サ責給与など)の割合。訪問介護では最も高いコスト項目であり、この適正化が経営の健全性に大きく影響します。
営業利益率
重要度: 高経営課題
事業所の本業での稼ぐ力を示す指標。介護報酬改定やコスト変動の影響を直接的に反映するため、常に動向を注視し、改善策を講じる必要があります。
ヘルパー定着率
重要度: 高オペレーション改善
一定期間内に雇用を継続しているヘルパーの割合。人材確保が最大の課題である訪問介護において、採用コストや育成コストを抑える上で極めて重要な指標です。
1日あたりの訪問件数/ヘルパー
重要度: 中オペレーション改善
ヘルパー1人あたりが1日に行うサービス提供件数。移動時間や移動距離の最適化ができていればこの数値は向上し、収益性にも貢献します。
サ責一人あたりの担当利用者数
重要度: 中オペレーション改善
サービス提供責任者(サ責)1人あたりが担当する利用者数。多すぎると業務負担が増加し、サービス品質やヘルパーとの連携に影響が出ます。
新規利用者獲得数
重要度: 中売上向上
月間で新たにサービス利用を開始した利用者数。事業所の成長性を示す基本的な指標であり、ケアマネジャーとの連携や地域広報活動の成果を測ります。
介護報酬加算算定率
重要度: 高経営課題
取得可能な介護報酬加算のうち、実際に算定できている加算の割合。加算要件を常に満たし、収益を最大化するための重要な指標です。特定事業所加算だけでなく、中山間地域等における小規模事業所加算なども含みます。
車両費対売上比率
重要度: 中コスト削減
売上高に占める車両費やガソリン代などの移動関連費用の割合。ヘルパーの移動効率や車両管理の適切性を示し、無駄なコストが発生していないかを確認します。
居宅介護支援事業所別紹介獲得率
重要度: 中売上向上
各居宅介護支援事業所からの紹介件数が、その事業所の担当利用者数に対してどの程度かを示す。特定のケアマネジャーに依存しすぎていないか、あるいは連携強化が必要な事業所を特定するのに役立ちます。
危険信号
ヘルパー稼働率: 70%を下回る
訪問スケジュールの見直し(カイポケのスケジュール機能等)、移動ルートの最適化、ヘルパーのスキルや希望を考慮したマッチング改善、遊休時間の有効活用(研修、事務作業)
人件費率: 80%を超える
ヘルパーの稼働率向上、無駄な残業の削減、特定事業所加算など加算の取得漏れがないか確認、サービス提供単価の見直し(自費サービス導入など)
ヘルパー定着率: 60%を下回る
ヘルパーへの定期的な面談(サ責主導)、業務負担の平準化、研修機会の提供、給与体系の見直し、福利厚生の充実、キャリアパスの提示(例:実務者研修費用補助)
居宅介護支援事業所からの依頼件数: 月間3件を下回る
既存の居宅介護支援事業所への定期的な訪問・情報提供、新規ケアマネージャーへのアプローチ、事業所の強み(特定加算、専門性)をアピールする営業戦略の再構築
キャンセル率: 7%を超える
利用者との事前確認徹底、緊急時対応体制の強化、キャンセル規定の明確化と説明、利用者ニーズの再確認によるサービス内容調整
営業利益率: 2%を下回る
全てのコスト項目の再評価(車両費、通信費、介護ソフト利用料など)、加算取得状況の総点検、高単価サービスの開発・提供、人員配置の最適化
データソース
本ダッシュボードで提示する業界平均値は、厚生労働省の介護事業経営実態調査結果、介護労働安定センターの調査報告、ならびに複数の介護事業者向け経営コンサルティングファームの公開データを元に、2026年時点の最新動向を反映して算出しています。地域や事業所規模により変動があることをご留意ください。