経営改善ガイド

グループホーム(認知症対応型)のKPIダッシュボード|業界平均と比較できるテンプレート【2026年版】

開業から半年以上が経過し、本格的な経営改善と事業成長を目指すグループホーム(認知症対応型共同生活介護)の経営者の皆様へ。本ガイドは、日々の多忙な業務の中で見過ごされがちな数値に着目し、「どうすればより質の高いケアを提供し、同時に経営を安定・成長させられるか」という問いに答えるためのものです。単なる現状把握に留まらず、業界平均との比較を通じて貴社の強みと課題を明確にし、具体的な改善アクションを導き出すためのKPIダッシュボードテンプレートを提供します。このツールを使いこなし、グループホーム運営の次のステージへ進みましょう。

使い方

  1. 現状把握: まずは貴施設の過去6ヶ月〜1年間の各KPIの実績値をデータとして収集・入力します。
  2. 目標設定とギャップ分析: 業界平均値や目標値と比較し、貴施設の強みと弱み、改善すべき具体的なギャップを特定します。
  3. 要因深掘り: ギャップが生じているKPIについて、その根本原因(例: 稼働率が低い原因は入居者募集の戦略不足か、サービスの質か)を深掘りします。
  4. 改善計画策定: 深掘りした原因に基づき、具体的な改善アクション(例: 地域連携強化、職員研修の実施、加算取得の検討)と、その実行スケジュールを計画します。
  5. 定期的な見直しと改善: 月次または四半期ごとにKPIを更新し、改善アクションの効果を検証しながら、PDCAサイクルを回し継続的な経営改善を目指します。

稼働率

重要度:

売上向上

総定員数に対する実際の入居者数の割合。入居者確保の状況を示す最重要KPI。安定した経営基盤の指標となります。

業界平均
90〜98%
目標値
95%以上
%
算出方法: (実入居者数 ÷ 総定員数) × 100測定頻度: 月次

入居者一人あたり介護報酬単価

重要度:

売上向上

月間の介護報酬総額を入居者数で割った平均単価。加算取得状況や提供サービスの質、個別ケア計画の適切性が反映されます。

業界平均
200,000〜280,000円
目標値
250,000円
円/月/人
算出方法: (月間介護報酬総額 ÷ 月間実入居者数)測定頻度: 月次

職員定着率

重要度:

オペレーション改善

一定期間(通常1年)にわたって雇用を継続している職員の割合。人件費抑制、採用コスト削減、質の高い認知症ケア継続に直結します。

業界平均
70〜85%
目標値
80%以上
%/年
算出方法: (期末職員数 ÷ 期首職員数) × 100 または (期間中の在籍職員数 - 期間中の離職者数) ÷ 期間中の在籍職員数 × 100測定頻度: yearly

職員一人あたり売上高

重要度:

コスト削減

月間総売上(介護報酬+利用者負担金など)を常勤換算職員数で割った値。職員配置の適正化や業務効率化の指標となります。

業界平均
450,000〜550,000円
目標値
500,000円
円/月/職員
算出方法: (月間総売上高 ÷ 常勤換算職員数)測定頻度: 月次

看取り介護実施率

重要度:

オペレーション改善

年間死亡者数に対する看取り介護加算を算定した入居者数の割合。地域の看取りニーズに応える体制が整備されているかの指標であり、加算による収益向上にも繋がります。

業界平均
20〜40%
目標値
30%以上
%
算出方法: (看取り介護加算算定者数 ÷ 年間死亡者数) × 100測定頻度: yearly

人件費率

重要度:

コスト削減

売上高に占める人件費(給与、賞与、法定福利費など)の割合。夜勤体制が必須のグループホームでは特に高い傾向にあり、適切な管理が求められます。

業界平均
55〜65%
目標値
60%以下
%
算出方法: (月間人件費総額 ÷ 月間総売上高) × 100測定頻度: 月次

食材料費率

重要度:

コスト削減

売上高に占める食材料費の割合。自炊形式のグループホームでは、献立計画や食材調達の効率性がこの数値に直結します。

業界平均
10〜15%
目標値
12%以下
%
算出方法: (月間食材料費総額 ÷ 月間総売上高) × 100測定頻度: 月次

営業利益率

重要度:

売上向上

売上高に対する営業利益の割合。事業の収益性を総合的に示す、経営の健全性を測る重要な指標です。

業界平均
5〜10%
目標値
8%以上
%
算出方法: (営業利益 ÷ 月間総売上高) × 100測定頻度: 月次

夜間職員配置状況 (入居者/職員比)

重要度:

オペレーション改善

夜間帯に配置されている職員1人あたりの入居者数。介護保険法に基づく最低基準(9人/1人)遵守は必須であり、加算取得要件にも関わります。

業界平均
9人/1人 (最低基準)
目標値
9人/1人 (法令遵守)
人/職員
算出方法: (夜間入居者数 ÷ 夜間配置職員数)測定頻度: 日次

職員研修受講率 (認知症ケア専門研修)

重要度:

オペレーション改善

全職員に対する、認知症ケア専門研修を定期的に受講している職員の割合。質の高い認知症ケア提供には職員の専門性向上が不可欠です。

業界平均
80〜95%
目標値
100%
%/年
算出方法: (認知症ケア専門研修受講者数 ÷ 全職員数) × 100測定頻度: yearly

地域交流イベント参加回数

重要度:

顧客管理

地域の住民や団体との交流イベントへの参加・開催頻度。地域密着型サービスとしての存在感を高め、新規入居者確保や緊急時の連携強化に貢献します。

業界平均
1〜2回
目標値
2回以上
回/月
算出方法: 月間の地域交流イベント参加・開催数測定頻度: 月次

介護報酬加算取得状況 (取得加算項目数)

重要度:

売上向上

貴施設が算定している介護報酬加算の合計項目数。報酬単価向上に直結し、提供サービスの質や体制の充実度を示します。

業界平均
基準加算+1〜3項目
目標値
基準加算+2項目以上
項目数
算出方法: 算定している加算項目の総数測定頻度: 月次

利用者満足度 (家族含む)

重要度:

顧客管理

入居者本人およびその家族からのサービスに対する満足度。口コミや評判を通じて新規入居者の獲得に影響するため、定期的な測定と改善が重要です。

業界平均
4.0〜4.5点
目標値
4.5点以上
点 (5点満点)
算出方法: 定期アンケート結果の平均点測定頻度: semiannually

水道光熱費率

重要度:

コスト削減

売上高に占める水道光熱費の割合。入居者の生活を支える上で不可欠な費用ですが、適切な節約や管理によってコストを最適化できます。

業界平均
5〜7%
目標値
6%以下
%
算出方法: (月間水道光熱費総額 ÷ 月間総売上高) × 100測定頻度: 月次

危険信号

稼働率: 90%を下回る

新規入居者募集戦略の見直し(地域広報強化、ケアマネ連携強化)、体験入居促進、既存入居者への満足度ヒアリング実施。

職員定着率: 75%を下回る

職員への定期的な面談、労働環境改善(夜勤体制の見直し、福利厚生充実)、キャリアパスの提示、専門研修機会の提供。

人件費率: 65%を超える

業務効率化による残業時間削減、常勤換算職員数の最適化、加算取得による介護報酬単価向上。

介護報酬加算取得状況 (取得加算項目数): 基準加算のみ、または他施設より明らかに少ない

算定可能な未取得加算項目のリストアップと取得要件の確認、必要に応じた職員研修や体制整備。

利用者満足度 (家族含む): 4.0点以下に低下

個別ケア計画の見直し、職員への認知症ケア再教育、入居者・家族からのフィードバックを吸い上げる仕組みの改善。

夜間職員配置状況 (入居者/職員比): 9人/1人 を超える (基準違反)

即座に職員配置の見直しを行い、法令遵守を徹底。夜勤専従職員の採用強化や、業務分担の最適化。

データソース

本ダッシュボードで提示する業界平均値は、厚生労働省の介護事業経営実態調査結果(直近公表分)、介護分野専門コンサルティングファームの調査データ、および複数のグループホーム経営者へのヒアリング結果に基づき算出しています。あくまで目安として、貴施設の特性に合わせて目標設定を行ってください。