経営改善ガイド

建設業のKPIダッシュボード|業界平均と比較できるテンプレート【2026年版】

開業6ヶ月を過ぎ、建設現場での実務経験を活かして独立した貴社にとって、次のステップは「どう経営を伸ばし、改善するか」にあります。特に、資材価格の変動、人手不足、複雑な法規制といった建設業特有の課題を乗り越えるには、感覚的な経営から脱却し、数値に基づいた意思決定が不可欠です。このKPIダッシュボードは、貴社の現状を客観的に把握し、具体的な改善策を導き出すための羅針盤となります。業界平均値と比較しながら、貴社の事業を本格的に成長させるためのロードマップを描きましょう。

使い方

  1. ステップ1: 各KPIを正確に測定し、自社の現状を客観的に把握します。特に、ANDPADや建設BALENAなどの工事管理ソフトを活用し、データの収集を効率化しましょう。
  2. ステップ2: 貴社の事業規模、専門工種、経営戦略に応じて、各KPIの目標値を設定します。業界平均値はあくまで参考とし、貴社にとって現実的かつ挑戦的な目標を設定することが重要です。
  3. ステップ3: 現状値と目標値のギャップを分析し、特に改善が必要な経営課題を特定します。例えば、粗利率が低い場合、資材調達や外注費の見直しが課題となるでしょう。
  4. ステップ4: 特定した課題に対し、具体的な改善策(例: モノタロウ法人向けの活用による資材調達コスト削減、ツクノビを利用した人材確保、クラウドサインによる契約業務効率化など)を計画・実行します。
  5. ステップ5: 定期的に(月次または四半期ごと)KPIを追跡し、施策の効果を評価します。効果が薄い場合は、原因を分析し、次の改善策を立案するPDCAサイクルを回し続けることが成長の鍵です。

粗利率

重要度:

経営課題

売上高から売上原価(資材費、外注費、直接労務費など)を差し引いた粗利の、売上高に対する割合。企業の収益性の根幹を示します。

業界平均
15〜25
目標値
20
%
算出方法: (売上高 - 売上原価) ÷ 売上高 × 100測定頻度: 月次

実行予算達成率

重要度:

コスト削減

工事ごとに設定した実行予算に対して、実際の原価がどの程度で収まったかを示す指標。原価管理の精度と現場のコスト意識を測ります。

業界平均
90〜98
目標値
95
%
算出方法: (実行予算額 ÷ 実際原価) × 100測定頻度: 月次

工期遵守率

重要度:

オペレーション改善

受注した工事の計画工期に対して、遅延なく完了した工事の割合。顧客からの信頼性や次工程への影響を評価します。

業界平均
90〜98
目標値
90
%
算出方法: (計画工期内に完了した工事数 ÷ 総工事数) × 100測定頻度: 月次

安全書類提出率

重要度:

オペレーション改善

請負元からの指示に基づき、法定要件を満たす安全書類(グリーンファイル)を期日までに提出した割合。法令遵守と安全管理体制の評価指標です。

業界平均
99〜100
目標値
100
%
算出方法: (期日内提出済安全書類数 ÷ 必要安全書類数) × 100測定頻度: 月次

新規顧客獲得単価

重要度:

売上向上

新規顧客一人を獲得するために要したマーケティング・営業コストの総額。広告宣伝費やマッチングサイト利用料などを対象とします。

業界平均
150000〜300000
目標値
200000
算出方法: 新規顧客獲得にかかった総費用 ÷ 新規顧客数測定頻度: 月次

一人当たり売上高

重要度:

売上向上

従業員一人あたりが生み出す売上高。建設業における人材の生産性を測る重要な指標です。

業界平均
3000〜5000 (万円)
目標値
4000 (万円)
万円
算出方法: 総売上高 ÷ 従業員数(直接労務者含む)測定頻度: 月次

営業利益率

重要度:

経営課題

売上高から売上原価と販管費(管理部門人件費、オフィス賃料、広告費など)を差し引いた営業利益の、売上高に対する割合。本業での稼ぐ力を示します。

業界平均
3〜8
目標値
5
%
算出方法: 営業利益 ÷ 売上高 × 100測定頻度: 月次

管理部門人件費率

重要度:

コスト削減

売上高に占める事務・管理部門の人件費の割合。間接コストの最適化を測ります。(直接労務費は原価計上)

業界平均
10〜15
目標値
12
%
算出方法: 管理部門人件費 ÷ 売上高 × 100測定頻度: 月次

顧客紹介率

重要度:

売上向上

既存顧客からの紹介で獲得した新規工事の割合。顧客満足度やブランドロイヤルティの高さを反映します。

業界平均
20〜40
目標値
30
%
算出方法: (紹介経由の新規工事数 ÷ 総新規工事数) × 100測定頻度: 月次

資材費率

重要度:

コスト削減

売上高に占める資材費(仕入れ材料費)の割合。資材高騰が続く中で、原価管理の重要度が高い指標です。

業界平均
30〜45
目標値
40
%
算出方法: 資材費 ÷ 売上高 × 100測定頻度: 月次

重機・車両費率

重要度:

コスト削減

売上高に占める重機・車両のリース料、減価償却費、燃料費、整備費などの割合。設備投資の適切性を測ります。

業界平均
5〜10
目標値
7
%
算出方法: 重機・車両関連費用 ÷ 売上高 × 100測定頻度: 月次

残業時間率

重要度:

オペレーション改善

総労働時間に対する残業時間の割合。労働効率や人員配置の適切性、職人の働き方改善に直結します。

業界平均
5〜15
目標値
8
%
算出方法: 総残業時間 ÷ 総労働時間 × 100測定頻度: 月次

未回収工事代金比率

重要度:

経営課題

売掛金(未回収の工事代金)が総売上高に占める割合。資金繰りの健全性を示す重要な指標です。

業界平均
5〜10
目標値
5
%
算出方法: 期末売掛金残高 ÷ 年間売上高 × 100測定頻度: 月次

建設キャリアアップシステム登録率

重要度:

人材育成

自社で雇用する職人のうち、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録済みの割合。社会的な信頼性や職人の育成・評価体制を示します。

業界平均
70〜90
目標値
90
%
算出方法: (CCUS登録職人数 ÷ 総職人数) × 100測定頻度: 月次

安全衛生目標達成度

重要度:

オペレーション改善

年間で設定した安全衛生目標(例: 労災事故件数ゼロ、ヒヤリハット報告件数目標達成)の達成状況を総合的に評価した指標。

業界平均
95〜100
目標値
100
%
算出方法: (達成目標数 ÷ 設定目標数)× 100測定頻度: 月次

危険信号

粗利率: 15%を下回る

資材価格交渉力の強化、見積もり作成時の原価見直し、下請け単価の交渉改善を早急に行い、赤字工事発生リスクを排除してください。

実行予算達成率: 90%を下回る

実行予算作成時の見積もり精度と現場での原価管理体制に問題がある可能性があります。工事台帳の記帳徹底と、現場責任者への原価意識の浸透が必要です。

工期遵守率: 85%を下回る

工程管理に大きな遅延が発生しています。作業員や重機の配置計画の見直し、天候リスクへの対応策(予備日設定など)を再検討してください。

未回収工事代金比率: 10%を超える

資金繰りに深刻な影響が出かねません。請求書の早期送付、支払期日管理の徹底、必要に応じた法的措置の検討など、回収プロセスの強化が急務です。

一人当たり売上高: 2500万円を下回る

職人一人あたりの生産性が低い状態です。業務効率化ツールの導入(例: 建設BALENA)、多能工化による生産性向上、新規案件獲得強化で受注量を増やすことを検討してください。

安全書類提出率: 95%を下回る

法令遵守と安全管理体制に不備があります。安全書類作成プロセスの見直し、担当者への教育徹底、または電子化サービス導入で提出漏れをゼロにしてください。

資材費率: 45%を超える

資材コストが高すぎます。複数のサプライヤーからの相見積もり取得、モノタロウ法人向けの利用による一括調達、代替資材の検討を積極的に進めてください。

データソース

記載されている業界平均値や目標値は、日本の小規模〜中小建設業者における一般的な財務指標データ、および建設業界団体が公表する統計データ、専門コンサルティングファームの見解を基に設定しています。個々の企業状況や専門工種によって変動する可能性があるため、あくまで目安としてご活用ください。